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プレイ日誌:1周目 +通常版発売を期に、ついに我慢できなくなってプレイし始めた管理人。ここはぶっちゃけな感想とネタバレの渦になると予想されますので、プレイ後の閲覧を推奨します。それでは、プレイ・スタート! ※ネタバレ部分は、背景色と文字色とを同じにしています。反転させてご覧ください(一応気を遣ってみました……)。 1周目第一話:やっぱりこの雰囲気って、いいなあ…… +体験版を二回ほどやって以来、約2ヶ月半ぶりのプレイ。途中で何度か中断がはいったり、ゲームシステムの説明ページに使う画像をキャプチャしながら進めていきました。 こうやって組み込まれてみると、このオープニング、聴いていてポップで楽しいだけじゃなくて、これからあの一種異質な世界に誘い込まれるんだなあ、という「いいスイッチ」になっているような気がします。で、心地よい音楽と、「さくっといこっか」というまりやのセリフに、すでに「処女(おとめ)の園」の世界にはいりこんでいる自分が……。 第一話は、男としてのプライドを「これでもか」というほど傷つけられながらも、主に奏ちゃんや紫苑さまとのやりとりの中で、自分に求められているものを模索していく主人公の姿に好感が持てますね。一つだけ、個人的にはある理由で「女の子は……」といった瑞穂お姉さまのジェンダーセンシティブな発言はちょっと気になるのですが、まあ、これも「宮小路瑞穂」のキャラクター設定のなせるワザなので、ちょっと横の方に追いやっておきます。でも、やはりこの物語が構築する独特な世界観と、それをさりげなくサポートする音楽。これらにすっかり魅了され、優雅な雰囲気に浸りきって、プレイが止められなくなっている自分がいるんですよね。「コンピュータミュージックファンの皆様のための総合音楽サイト」の管理人さんが、
とおっしゃっていたのも、よくわかります。いったい、「次回予告」とかがなかったら、どうなってしまうんでしょう?*1 そして、エルダー選出結果発表のクライマックス……何度見てもゾクゾクっとします。歓声に包まれることが、心地よくなってしまっている自分……どうしたらいいんでしょう? 1周目第二話:何度見ても引き込まれますよね +結局週末の二日間をかけて、少しずつプレイを進めたわけですが、「丘の上の散策」が流れて、紫苑さんや美智子さんが登場するだけで「もとの」雰囲気に戻れる、というのは、やはりすごいことだと思います。 それにしても、やはり「一子登場」やら「生理で見学」やら「スクール水着」の場面やら……この話には面白い要素がいくつも詰め込まれていて、何度見ても引き込まれますよね……あん♪*2 第二話には、それなりに大きな分岐のある選択肢があります。私はとりあえずまりや・由佳里ルート方面を目指している*3ので、それに合わせて進めています。あの選択肢がああ影響するのか……とか、そちらのほうもそれなりに楽しませていただいています。ハートマーク&効果音、私のような「18禁美少女ゲーム初心者」にもわかりやすくて、Good Jobですよ! ここまで体験版がカバーしていたのは、ほんとうに正解だったと思います。このゲームのある意味「正しい」楽しみ方である「瑞穂(主人公)萌え」は、間違いなくこの第二話で確定します。そして登場人物もほぼ出揃い、この作品の魅力をアピールするために必要かつ十分な分量。それが第二話までだった、ということになりますね。 あちこちで述べられているのでここでは省略しようと思ったのですが、やはり忘れてはならないのが「お姉さま」になりきりすぎた主人公がorz……な場面*4ですね。私のはじめては由佳里ちゃんのものよのorz絵は、何度見ても……。そして一子ちゃんとのHシーン。「百合にしか見えない」と表現されている方が複数いらっしゃいました。まあそれもわからないではないですが、それより。このHシーンの前半(というより「(疑似)結婚」シーンの間、「確かな想い」が流れるんですが、この曲と「礼拝堂」という場所との相乗効果で、どうしても「神聖な場面」になってしまうんですよね。(疑似)結婚の場面なので、それでいい、といえばいいわけですが……。 1周目Interlude(幕間):いい話と……との落差…… +第一話・第二話よりも短い夏休みの「幕間」ですが、途中までは一子が語る宮小路幸穂*5との思い出とか、由佳里が恵泉受験を決め、入学するまでの経緯とか、ほろりとさせる話があって、なかなかいい雰囲気なんです。 でも、後半にいくと、緋紗子とのHシーンがあって、そこへの持っていき方もちょっと強引ですし、さらになにせ声があの方ですから、色っぽいの何の……。この「落差」が、緋紗子が人気投票最下位になってしまった大きな要因なのではないか、と。 1周目第三話:「総合力の高さ」がはっきり出ている、と感じます +第三話では現在の話と交互して、八年ほど前の恵泉女学院を舞台に、まだ恵泉女学院の生徒だった頃の梶浦緋紗子と、音楽特待生の長谷川詩織との美しくもはかないエピソード(それはそれはスタンディングオベーションしたくなるほどお見事なものでした)が展開されていきます。シリアスな場面でも用いられる「エメラルドの風」や「確かな想い」とともに、オリジナルサウンドトラックには収録されていない《幻の一曲》*6が重要な役割を果たし、セピア色調の背景、一色ヒカル嬢・佐本二厘嬢の熱演も相まって、プレイヤーをエピソードの世界にぐんぐん引き込んでいきます。ひとつひとつが突出したものでないとしても、それはおのおののレベルの高さゆえであり、この「総合力の高さ」こそが、このタイトルの高い評価を呼び込んでいるのは、もはや疑いようもない事実です。 ……とはいっても、コミカルな要素も忘れてはいないわけで、緋紗子・詩織の話の中にも「カラスの勝手でしょ」*7を織り込んでみたり、現代パートでも「波瀾万丈人生劇場RX」という「人生ゲーム」のパロディを展開したり*8、しまいにはヨダ絵まで登場する、という徹底ぶりで、とにかく凝った演出が存分に楽しめます。あっ、ちなみに、現代パートに登場する例の手紙、あれはコメディではなく、まじめに書かれたものと思われますが、あおいひとみさんはどういう思いでお読みになられたのでしょうか? 体験版段階(第二話まで)がいちばん面白い、という感想をいくつか見ています。コメディとしての面白さは、第三話では「脇役」に一歩退いてしまいますから、そう感じられても仕方ないかも知れません。しかし、それらがいかに「表面をなでただけの評価」であるのか、第三話を心から「体験」すると、きっとおわかりいただけるのではないでしょうか。そして、瑞穂がさまざまな人とのふれあいから得た「もの」も……。*9 1周目第四話:キャラの動かし方が際だっていますね! +第四話は、奏ちゃんのリボンをめぐって、生徒会と元・現エルダー連合+まりやとのせめぎ合い、というのが表面的なストーリーなのですが、それよりもむしろ出てくるキャラクターの動かし方のうまさが非常によく出ていた話だと思います。それぞれのキャラクターの特徴をうまく引き出すようなセリフが随所に現れていて、最初の方は話の内容がちょっと重く感じられたのですが、いつの間にか物語の中に引きずり込まれていた、といった感じですね。アドベンチャーゲームとしての選択肢も、どの選択肢がどこで誰の好感度を上げるのか、謎めいたものがあり、好感度上昇のハートマークがなかったら、誰を攻略できているのか、難易度もちょっと上がっていたような気がします。ちなみに、私の選択は、一応まりや狙い(第三話終了の段階で由佳里行きはちょっと難しいかな? といった感じ)のつもりなのですが、貴子にきつく当たれない自分もいたりして……。 で、この話で一番得をしたキャラは「圭さん」である、ということについては、かなりの方が同意していただけるのではないかと。ポイントポイントで、ボソボソと話すセリフがなかなか重要かつ印象深く、「攻略したい!」という意見まで出てくるのもよくわかるところです。あと面白かったのは、同じ問題に対して同じ結論を望んでいる、瑞穂とまりやとのベクトルの違い。そして、まっとうなベクトルをもって動く瑞穂に対して、自然にまわりの人たちからの援護が集まっていくのに対して、そうでないまりやの奮闘がやや空回りしてしまっている(ように見えました)様子が、対照的かつ丁寧に描かれているところでしょうか。 『処女はお姉さまに恋してる』に対して「キャラ萌え」がない、というレビューをいくつか見ています。しかし、この話に代表されるように、キャラクターに対して「萌え」を安易に「狙う」*10のではなく、主人公や他のヒロインとの関係性を通して性格や魅力をきちんと描き込んでいくことで、プレイヤーをキャラクターに対して「のめりこませていく」ことを意図しているような場合、プレイヤーが話全体を離れたところから冷静に見つめてしまうと、当然「萌え」など発生しようがないわけです。そういう意味で、ゲーム(またはそのキャラ)に感情移入をすることを嫌う人たちにとっては、「おとボク」はきっと「面白くないゲーム」なのではないか、という気がしています。 ちなみに、この話の迷場面ナンバー1は、「懐かしのアイドル、あの人は今」。一子ちゃんのキャラまで巧みに引き出しています。そして名場面ナンバー1は、何と言っても生徒総会の論戦。そして、論戦を終わった後の瑞穂のセリフ「きっと、こうやって、みんなが誰かを、誰かがみんなを……知らないうちに革命しているのかも知れないわね?」は、あの場面の彼にほんとうにふさわしい、という意味で名セリフだと思います。あっ、ひとことだけ不満点を。化学室と家政室の背景画が同じ、というのは、さすがにちょっと手抜きなのでは? 1周目第五話:第四話までプレイしてきた人たちへのご褒美なんですね +おもわず戯れ言にも書いてしまいましたが、とにかく面白すぎて、お腹の皮がよじれてしまうんじゃないか、というくらい笑い転げながらのプレイとなった第五話。笑えるシーンはいくつもあって、ネタバレの嵐になってしまうのでここには書き切れませんが、紫苑が瑞穂を誘って廊下でワルツを踊ってしまう場面のあと、圭が吐くセリフとか、圭と奏の「あの」やりとり(圭「死ぬ気で……死ぬ。」/奏「奏、死ぬのですか?」)とか、圭の指示に狼狽しまくる貴子と、それを冷静に横から眺めている紫苑との対比とか、一子が「手がすり抜けて台本のページをめくれない」と沈む様子とか、しまいには瑞穂がまりやの身体を拭くイベントならびにそのあとのHシーンまで笑えるのはなぜですか?*11 そしてだめ押しはまりやが由佳里に対して「ここか〜ここがええのんか〜? うりうり〜」*12。 そろそろまじめに書くと、このお話しはシリアス部分をまりやが一手に引き受けていて、第四話の途中からはじまる彼女の「暴走」ぶりと、生徒会主催の劇が「あの題材」*13だった、というところからはじまる貴子の別の意味での「暴走」ぶり、そして最後に……というプロットになるのでしょうか。あっ、私はまりやルートにいる(ほぼ確信)のでこういう状況ですが、ほかのルートだと、特にまりやが絡む部分の話が変わってしまうのかも知れませんね。で、縦糸がそれだとしたら、横糸は演劇部の劇の主役を張る奏やクラスのティールームの出し物に一生懸命な由佳里に「頑張れ!」の意味も込めて、自身も生徒会主催の劇の主役を引き受けて頑張る瑞穂。そして……瑞穂のナイスフォローもよかったけれど、なんと言ってもこの話のハイライトは奏(木村あやか嬢)の劇中劇での名演技! セリフ3つで、プレイヤーを魅了してしまうそのすごさには、本当に感服しました。貴子(佐本二厘嬢)やまりや(あおいひとみ嬢)の声の表情の的確な変わり具合といい、圭(一色ヒカル嬢)の引き締めぶりといい、このゲームの質の高さを支える声優陣の仕事ぶりは、本当に特筆すべきものがあります。 ……というわけで、一気にまとめサイトの中の人も、「超とろけ」状態になってしまったんだとさ(苦笑)。 1周目第六話:共通から個別へのつなぎって難しいんですね + ほかの話よりちょっと短かった第六話、まあ「降誕祭ダンスパーティー」のためにあるような(?)話なので、仕方ない、といえばそれまでなのでしょうが……。ひとつひとつのエピソードも さて、まりやルート(確定しました)第六話の基本プロットは、まりや引退後の陸上部で悩みを抱えつつ駅伝予選会を控えた由佳里を、寮のみんなで心配しつつ、誰がどう励ますのか……といったところでしょうか。まあ平たく言ってしまえば、「どう」の部分は、身体でものを覚えるタイプの子には、百の言葉よりひとつの行動の方が効果があるということになるのでしょう。そしてたまたま運良く(としか思えませんが)瑞穂が由佳里との「ひとつの行動」を実践できたことが、由佳里をひとつの「割り切り」へと導いていくわけなんですね。で、その結果で、またまりやが……という感じを匂わせる次回予告にて終了。だからごく些細な「ボタンの掛け違い」でしかないのですが……このあたりが、甘酸っぱい青春の物語、という感じでなかなかよく考えられていると思います。そういう観点で、これからのまりやルートがどう展開していくのか*14、それについては大いに楽しみです。 最後に、この話をプレイする上でひとつだけ、あちこちで話題になっている「雪」のエフェクトのことをお話ししておきましょう。私がプレイしているPCのスペックは、既知の不具合ページを見ればわかってしまうのですが、1年半前の型のノートPC+メーカーサイトの最新グラフィック・アダプタ・ドライバーでも、あの「雪」の中ではセリフが出てくるのが少し遅くなりました。ファンも最速で回っていますし、以前戯れ言コーナーでちょっと触れた「SleepHook」というソフトを使ってもCPU使用率もほぼ90%以上ですから、かなりパワーを使うエフェクトであることがわかります。まあ、あれだけ多くの「オブジェクト(雪の粒)」を画面上で「ひらひら」舞い踊りながら落ちるように仕組んであるわけですから、無理もないこととは思いますが……。 1周目(まりやルート)第七話:この作品らしい、見事なストーリー展開でした +第六話がああだったのでちょっと心配していたのですが、さすがにあれはやはり「共通から個別へ」のつなぎ部分だけだったようで、第七話、完全に個別ルートにはいると、話は落ち着きを取り戻して、小気味よく展開していきました。ホッ。笑える、という意味で印象に残ったところをあげると、圭さんの後輩へのひたすら恐ろしいプレッシャーのかけ方とか、紫苑さんの奏ちゃん誉め殺し&お持ち帰り発言とか、カフェテリアでの貴子とまりや、「それが聞いて下さいよこの{堅物/能転気}女が」からはじまる一連の会話とか……でしょうか。 で、まりやルート第七話、プロットとしては第六話の最後の予告通り*15、自分は何のためにどうすれば……と悩むまりやが、あるきっかけからその「ひとつの答え」にたどり着く、ということになるわけです。ひとつの「ありがちな」流れ、と言ってしまえばそれまでなんですが、その「ありがちな」流れを、いかに自然に、かつ まりやルートが、「まりやがひとりで悩みを解決してしまって面白くなかった」という評をいくつか見ました。いま、まさにモラトリアムまっただ中、という世代の人たちには、この話の「味」はちょっとわかりにくいかも知れません。第六話のところで「甘酸っぱい青春の物語」と書きましたが、「青春」ってそういう「甘酸っぱい」ものだよね、悩みが解決するきっかけって、あんな「ふとした」「些細な」ことなんだよね、と冷静に振り返ることができる世代にこそ、まりやルートはヒットするのではないか、そう思います。 1周目(まりやルート)最終話〜エピローグ:笑いと感動と愛と、そして…… +ここは遊びなしで。まりやルート最終(第八)話は、まりやと圭の不思議でおかしなやりとりから始まり、ネタも交えて、プレイヤーをぐいぐい「まりやペース」に引きこんでいきます。そして、バレンタインデーのちょっとしたいざこざ、一子とまりやとの暖かいやりとりと別れ*16……そしてまりやと瑞穂・二人きりの週末デート……そのあと……と続き、エピローグに突入します。卒業式では答辞こそ瑞穂が務めますが、主役は完全に壇上に瑞穂を送り出し、そして大役を終えた彼を迎えるまりや(少なくとも私にはそう見えました)。そして式終了後、瑞穂とまりやは熱いキスを交わし、まりやは旅立っていく……。とにかくまりやは「今晩十二時、あたしの部屋に来ること――いい?」とかひたすら「かっこいい」し、瑞穂はどんどん気障になっていくし……でも、そんな二人のまぶしいまでのありように素直に憧れるもよし、夢って大切なんだなあ、と思い直すもよし……そんな、すてきストーリーでした。あっ、エンドロールの後の「六年後」の話ですか? 私には面白かったですが、あの場面だけ貴子が主役になってしまっている、という意味でも、必然性は感じられなかったかも……。それから何かと話題のHシーンですが、少なくともこのルートでのそれは充分エロかったと思います。まりやの中の人(あおいひとみ嬢)のうまさもあってのことではありますが。そうそう、中の人のうまさ、という意味では、一子(草柳順子嬢)や由佳里(松永雪希嬢)にも見せ所がありましたね。 さて、1周目最後なので、ここまでプレイしてきたところで、プレイ前と今との「このゲームへの思い」がどう変わったか、を少し。ひとつのルートを完走してみて、このゲームのシナリオ・音楽・CG、そしてそれらが生み出す「雰囲気」のすばらしさ、など「総合力」の高さも、「萌え」構造の深さも、声優さんの熱演ぶりも、体験版段階とは比べものにならないほどよく理解できましたし、この作品への「思い入れ」もさらに強くなったような気がします。そして、その証拠かどうかよくわかりませんが、いつの間にか瑞穂の声が入っていない部分で、瑞穂の中の人(神村ひな嬢)の声を脳内再生している自分が……まあ、私自身が充分に「瑞穂萌え」している証明にはなるでしょうね……*17(苦笑)。 できれば次は、奏あたりを狙ってみましょうか。うまく攻略できないと一子コースにいってしまうかも知れませんが。 ……2周目以降も、引き続きできるだけ日々プレイして、更新していきます。To be continued... <<(この前はありません) | プレイ日誌:2周目 >>
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